ホスト時代の話し㉗

第27話 ホストの恋愛事情   前編

ホストは恋愛はするんでしょうか?それは人によると思います。ホストに色恋は付き物であると言われます。ホストもお客さんのことを好きになった体でお店または、プライベート、いわゆる裏引きに走ったり。

私はというと、ホストという仕事をしていながら、色恋といわれる営業や、駆け引きなどは苦手というか出来なかったような。だから向いていなかったのかも。

そんな自分でしたが、ホスト時代にお客さんの中で唯一お付き合いした女性がいました。5歳上で同じく歌舞伎町のクラブのホステスさん。お客さんからいつしか、店が休みの日曜日はだいたい一緒に居る仲に。だいたい日曜日の夜は彼女のお宅に泊まるというパターンでした。

たまに、こちらの店にお客さんとして飲みに来ることがあったり、自分が働いているクラブのお客さんを連れて飲みに来たり。何もなくても毎日のように欠かさずに連絡だけは取り合っていました。

これはとある日の出来事、こちらが出勤して向こうが休みだった日のこと、こちらが出勤していつものように深夜に何度か電話をしても全く電話に出ず。あれ、おかしいなあ~

そしてこちらが営業終って、私の足はまっすぐに彼女の自宅へと向かっていました。彼女の当時住んでいたマンションの前に着きピンポンするものの反応はなし。電話しても出ない、またピンポン。おかしいなあ~

そうして、暫くしてからやっと彼女が出て来ました。寝起きなのか、すっびんで髪もボサボサしていたような。が、しかしドアのチェーンはそのままに僅かに開いた隙間から彼女との会話「心配したよ、どうした?」彼女は「ごめん」とだけ、ん?なんかおかしいな。

もしかしたら?自分は段々何となく察してきました。ドアのチェーンを外さないとは何かあるんだなと。

つづく

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