ホスト時代の話し㉒

第22話 酒浸り

ホストに求められるもの、色々とありますが、例えばトーク術とか、容姿、艶っぽさであったり、、ど素人からホストになった自分は、すぐにお客さんがついた訳でもなく、暫くはヘルプの毎日でした。

ヘルプの役目は、他のホストが担当のテーブルに付いて、お酒を作ったり、トークで盛り上げたり、あとは担当者のお客さんが重なって、指名ホストが他のテーブルに行っている間、その場を繋いだり。あとは売上を上げたいテーブルならば、飲んでボトルのお酒を減らして売上に貢献するのも仕事のうち。

お客さんを呼べていなく、当時の私はそんなに喋れた訳では無かったので、すると飲むしかなく、それまでそんなにお酒を飲むなんて事は無かったけど、飲んでいくうちに自然と強くなったものでした。

よく潰れてたなあ~店の営業が終わる頃には、もうだいぶ酔いが回っていて、お客さんが帰ったあとのトイレでよく吐いていたものでした。そしてそのまんま便器にひれ伏したようにして昼ぐらいまで寝てしまっていたり。営業中ゲームが始まり、負けが越して罰として一気飲みしたりして、それで潰れたりした事も。

そんな時に、優しくしてくれた昌美さんという先輩ホストがいて、一緒に昼位まで店に居てくれた事もあったなあ。昌美さんは店の主任で、トーク力抜群でとにかく仕事できる先輩でした。まだ仕事なんて出来ていないこんな自分の事も気に掛けてくれて、優しくしてくれて。

そんな昌美さん、風の噂で地元に帰って地元で水商売をしたのち、若くして癌で亡くなったとのことでした。聞いた時は大変ショックでした。昌美さん、大変お世話になりました。合掌。

もしあのままホストをずっと続けていたらどうなっていたことか?たぶん、身体はボロボロになっていたかも?

あの頃は、お酒を減らすために飲んでいたから、味わう飲み方では無かったように思います。今は勿論味わって飲んでおります。

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