ホスト時代の話し⑲

第19話 一生さんとの思い出

ホストの世界に飛び込んだ、ど素人の自分にファッションから接客、ホストという仕事を1から教えていただいた一生さん。自分がデビューしてから約半年ぐらいは付き人かのように、よく一緒にいました。

一生さんとは仕事中以外でも、プライベートな時間も共にし、例えばナンパしに出かけたり。一生さんはほんとかなりの確率でゲットしていたように思います。

ある日一生さんの家にいつものように行った日のことと、「剛、これから前にナンパしたキャバ嬢来るから、押し入れに入ってろ」と、言われるままにおとなしく真っ暗な押し入れに籠ることに。もしかしたらエッチな事をするかも知れないから、期待してろと。

程なくしてそのキャバ嬢という女の子がきた気配。しかし、こちらは真っ暗な押し入れ中で、その女の子の姿、顔すら見えず。会話している声ぐらいしか聞こえず。こちらは息をひそめて音一つたてないようにしていても、昼間動き回っていたしその眠さもあってうとうとしだして、頭がカクンカクンとしだす始末。おっと危ねぇ、襖に頭がぶつかりそうになりながら、必死に眠くなるのをこらえ。

けっきょく、時間にして1時間ぐらいいたのかな?何事もなくて女の子は帰って行き、やっと押し入れから解放されましたが、あの時押し入れの中でカクンカクンして、音でも出していたら、笑い話で済まされたらいいけど、たぶんぶっ飛ばされた事でしょう。

あの当時は若気の至りとでも言うか、阿呆な事していたなあ。そんな一生さんとは、約半年後に他の店に移籍してしまったため、離ればなれになりました。

一生さん、今はどうしてるかな?たぶん結婚して、よきパパになっているのではないでしょうか。

つづく

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