AV男優時代の話㉔

AV男優時代に、ある方からのご紹介で、とある現場へ。その現場は韓国のメーカーさんが、日本へ撮影に来て韓国で発売、配信するというものでした。

撮影隊は、全て韓国人の方で、出演する女優、男優ともに日本人で、さすがに韓国語は喋れませんので、撮影には常に日本語を喋れるスタッフが付いていて、撮影の指示などは全て、その日本語を喋れるスタッフが通訳をして、特に不便を感じることもなく、問題はありませんでした。

だいたい、年に2~3回位は平均して撮影にいらして、レギュラーで呼んでいただくことに。撮影は連日行われて、まずは朝早く韓国人スタッフが泊まっているホテルで朝食を食べる事からスタート。その時に思ったのは、当たり前のように韓国の方は朝からキムチを食べる。そんな私も韓国の方々に寄り添う為にも、韓国のスタッフのキモチを掴む為にキムチを食べました(笑)

韓国のアダルト撮影は、日本のものと違って、本番は無しで、いわゆる結合部、お互いの性器が映らないように、そこを死角にしたり、体を被せたり、カメラが
その辺りを映さないようにしたりと、行われます。していくうちに慣れてくるもので。

そして、ある撮影の日、撮影に使う衣装で、スーツを3パターン用意してください。との指示がありまして、かなりの荷物になりますが、言われるままに用意しました。基本的に男優の衣装は自前が多いです。韓国人は要求が半端ないなあ~と思いながらも。そして撮影で外のシーンで、お店を使って店側の許可もなく、いきなり店内で撮影したり。

ある日の撮影で、スーツを着たまんまお風呂に、浴槽に浸かるといったシーンがあり、持っていった3着のスーツのうち、一番カッコよくて高いマーニのスーツで入ってくれとの指示がありました。当時の私は言われるままにその高価なマーニのスーツで浴槽へザブーンと入浴。しかしピタッと張り付いて気持ちいいものではありませんでしたね。

撮影後はその濡れたまんまのスーツをゴミ袋に入れて帰宅、翌日クリーニング屋へ。その後どうなったかというと、スーツのパリパリ感が全く無くなり、ヨレヨレのスーツへと変身しました。一応通訳してくれていたスタッフに話してはみましたが、何の保証もなく高価なスーツが台無しに。まあ~私も断れば良かったんですが、まさかそうなるとは、私が無知でした。そして韓国の人は無茶でした。

まあ、その後も撮影に呼んでくれたりして、そこからも暫くお付き合いがありました。一つ教訓となりました。スーツ着たまんま風呂へ入るな。

その後、知り合いの日本人の方が韓国へ行った時に、私のその作品をたまたま見たよ。と、言われました。まあ、今となってはいい思い出です。

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