AV時代の話し⑪

小倉北区の思い出

前回の、AV男優時代の話し⑩は、ナンパ撮影の時の千葉の柏での出来事でしたが、今夜は同じくナンパ撮影で行きました、あるところでの出来事です。

ガチンコナンパのAV撮影で、監督と自分の2人で色んなところに行きましたが、その日はなぜか監督が選んだ、北九州市の小倉北区という場所へ。なぜ監督がそこを選んだのかは、わかりませんが。

いつものように現地に着いて、泊まる宿でもあり、撮影場所となるホテルへとチェックインして、街へ繰り出して早速、女の子達に声をかけまくり撮影をスタート、そしてホテルの部屋まで来てくれて、口説いて最終的に絡みといって、エッチなシーンまで撮影する事が出来ました。まあ、その監督とは何度もナンパ撮影に出ていますし、いつもの光景です。

特に、問題もなく撮影を終えて、エロいシーンが撮れたなとホッとして、撮影に協力してくれた女の子に出演料を渡して、「ほんと、ありがとうございました。助かりました」と、お礼を述べて、見送って部屋で監督と部屋で一休みし、まだ夕方だったので、また街に繰り出して、撮影再開しようとホテルの部屋を出て、エレベーターに向かおうとしたその時です。

ホテルの廊下の、反対側からこちらの部屋に向かって警察官数人と、私服(刑事さん)の集団約10人位が、ダダダダーっと、こちらに向かって走ってくるではないですか。まるでドラマか映画のワンシーンかのような光景でした。その時、自分はサーッと血の気が引きましたし、一瞬なにが起きたのか?と同時に、スグに事情を察しました。たぶん先程、撮影に出演してくれた女の子の件だろうなと。

頭が真っ白になり、警察官の方達と、監督、自分の間でどのような会話があったか、覚えてはいませんが、とにかくその場から、小倉北警察署へと連行されて行かれました。行きの車の中で、覚悟しましたね、逮捕という二文字を。そこから先は机とパイプ椅子だけある殺風景な部屋で事情聴取です。詳しく撮影の経緯を話したり。

容疑としては、女の子が強引に撮影をされたと、しかしですよ、先ほどの撮影の女の子は、こちらが無理やりとか、強引に撮影をした訳でもなく、納得いただいた上で撮影を進めていき、帰る時には笑顔でギャラをもらって、喜んでお帰りになり。こちらとしてはなぜ???という心境です。

そして、その後どうなったかと言いますと、素材といって撮影済のテープを巻き戻して、刑事さん達が初めから最後まで、その女の子のシーンを再生してチェックする事となりまして、全て見て貰うことに。(ある意味役得?いやいや、お仕事ですね、刑事さんも)

そして、結論で言いますと、決して強引に撮影した訳ではなく、女の子も納得した上での撮影と判断いただき、身の潔白が証明されました。ただ110番があり、警察署までいっているので、経緯を書面に残す作業があり、調書というもの?帰されるまでには時間がかかりましたが。

そして、やっと誤解が解けたというか、何も問題が無かったとなり署から開放されたのは、もう深夜でした。そして何と有難いことに、小倉北署の刑事さんが、このままホテルに帰ったら、帰りずらいだろうからとホテルまで送ってくれて更に、何も無かったから泊めてあげてとホテル側に話すからとなり送り届けてくれました。なんと有難いことでしょう。

帰りのその車の中で、刑事さんと色々と話しましたが、この辺は治安が悪いから気を付けてね。先日は年金生活のおじいちゃんが、若い女の子からの美人局の被害があったとか。今回の件は違いますがまあ近いものが。

そして、刑事さんの口から、「実はねえ哀田さんの事、どこかで見たことあるなあと思ったら、やはりAV男優だったかあ、見たことありますよ。立場上こんな事を言うのはどうかと思うけど、頑張ってください!」と。いや~素直に嬉しかったですし、その言葉にだいぶ救われました。自分のしてきたことが否定されるような出来事から、しかも刑事さんの口からそのような温かい言葉をいただき。

北九州市小倉北区、苦い経験はしましたが、忘れられない地域です。

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